目次
中国の新規大卒者数が1000万人を突破!
※縦軸:中国の大学卒業生人数(単位:万人)、横軸:年度
日本では大学受験をするときに「大学共通テスト(旧:センター試験)」をほとんどの受験生が受験します。2022年度は、この日本の大学共通テストの志願者数が約53万人です。これだけ多くの生徒が大学に行くということになります。これに伴い大学卒業生は毎年50~60万人くらいとなります。しかし、これに対して、中国では大学の新規卒業生が1076万人!
日本と中国と比較すると、日本の大学生数は圧倒的に少ないです。上記の中国の大学卒業者数の推移グラフの一番左の棒グラフが107万人なので、日本の大学生はその半分!このグラフに日本の大学卒業生の人数を重ねたら、棒グラフが見えなくなります。
この数字、大切なところなので、もう一度、書いておきましょう。
日本の大学の新規卒業者数:約50~60万人!
中国の大学の新規卒業者数:約1000万人強!
中国は人口が多いから当たり前では?と思っている人も多いはず。しかし、日本の人口は約1億2500万人、中国は14億4800万人です。
日本と比較すると、中国は人口は約10倍ですが、大学生は約20倍の数です。
2022年度の中国の新規大学卒業生の1076万人は過去最高数を更新し、今までは大学入学が大きな目標の一つだったのが、さらにその後、どんな仕事をしていくのかも、今まで以上に重要になってきています。
中国の求人サイトの智聯招聘(Zhìlián zhāopìn)が発表した「大学生就職力調査研究報告2022」によると、回答した新卒大学生の希望月収は6259元(≒122,551円[1元 = 19.58円で計算])に低下しています。
大学卒業生数が急激に増加し、就職活動が厳しくなる中、自ら就職への期待を自ら引き下げているとのこと。
1000万人以上の大学卒業生が新卒として行く先は、就職か?さらなる大学院などへの進学か?
さらに、詳しく中国のニュースを含めて調べてみました。
1076万人の卒業生はどこへ?中国国内のニュースでも話題に!
大学を卒業する新卒者数が過去最高を更新する中、中国のニュースでも話題になっているので、どのように取り上げられているのか調べてみました。
いくつかのニュースのタイトルを順番に見てみましょう。
ニュース記事01
2022毕业大学生达1076万,就业压力史无前例,应届生该何去何从?
『2022年に1076万人の学生が卒業し、未曾有の就職難の中、新卒者はどこへ行くべきか?』
ニュース記事02
2022年毕业生超1076万,大学生看不上“普通工作”,宁愿考研二战
『2022年の卒業生は1076万人超、大学生は「普通の仕事」は気に入らず、むしろ2回目の大学院受験(1年目に不合格で、2年目に再度受験)を希望』
ニュース記事03
2022年毕业生首超千万人,就业难度再次升级,应届生该何去何从?
『2022年に初めて卒業生が1000万人を超え、就職難が再びエスカレートする中、新卒者はどこに行けばいいのか。』
やはり、初めて卒業生が1000万人を超えたことで、『1076万人』という数字や、『就職難』などの言葉がタイトルにあちこち登場しています。この就職難の中、大学の卒業生数の増加と合わせて、大学院への進学を希望する人数も急増しているので、この点をさらに見ていきましょう。
大学院受験ブーム到来?
日本でも不況が続くと、就職では公務員志向が増えたり、就職時期を遅らせるために大学院に進学する人が増える傾向があります。中国では学歴志向もあいまって、大学院への進学希望者も急激に増えています。
※縦軸:中国の大学院受験者数(単位:万人)、横軸:年度
2022年度の中国の大学院受験者数は457万人!
グラフを見ると、ここ5~6年間で大学院を志願する人数が急増しているのがわかります。やはり大学生の数が増えていることで、さらなる高みを求めて、大学院へ進学する人数が増加しています。
中国の大学は精華大学や北京大学を筆頭にして、世界の大学ランキングや、アジアの大学ランキングでも日本の東京大学や京都大学よりもはるかに高いレベルにある大学がかなりたくさんあります。
つまり、世界的にみても高評価を受けている大学や大学院に進学する中国の方が、どんどん増えているということです。
【2022年版アジア大学ランキングTOP30】中国トップの大学とは? の記事で中国の大学のアジアでのランキングを紹介しているので、興味のある方はご覧ください。
中国と日本の大学進学率
中国の大学進学率は、日本の大学進学率をまもなく追い抜く!?
※縦軸:大学進学率(単位:%)、横軸:年度
※中国のここ数年の進学率の数値は様々な数値が出されているため、一つの目安としてご覧ください。
中国政府は2021年の夏から「双減」政策を強力に推進しました。これは「宿題」と「塾通い」の二つを減らすという政策です。受験競争に伴う子どもの負担を減らす、中国版の「ゆとり教育」とも言えます。
これにより、塾講師の多くが失業の危機になったことも、あちこちでニュースになりました。
大学進学者数や、大学院への進学者数が増え、中国は今後どのようにさらなる発展をしていくのか。
20年前とはガラリと変わった現状を見ると、今から20年後は想像もしていない状況に変わっているはずです。
この進化・発展のスピードを追いかけながら、いろんな情報を調べつつ、今後もブログで紹介していきます。
中国語検定4級の過去問を徹底解説!
中国語検定受験者は過去問をチェックして得点力アップ!
随時更新中です!