本/参考書

【台所から北京が見える】感想・レビュー!36歳から始めた私の中国語/長澤信子著!

40年前に出版された「主婦が36歳から中国語学習を開始し通訳になった話」!

中国語学習をしていてモチベーションが上がらないときに、この本を読むと、もっともっと中国語を勉強したくなる不思議な本です。

1983年に出版された本なんてかなり古いですね。
40年前に発刊された本にも関わらず、2023年に文庫化されて再出版!一人の語学学習者として読んでいてワクワクしました! 特に著者が女性ということもあり、女性は共感できる部分が多々あるはずですよ!

 

著者の長澤さんは、20代のときに子どもを産み、「子どもが本当に母親を必要とするのは、私の一生のうち長くても十数年なのだから・・・。そのあとの私にはいったい何があるのだろうか。」と考え、新聞に人生相談の投書をしたことが一つのきっかけとなり話が進んでいきます。

投書の回答内の一フレーズ「人の手がけぬ外国語を、家事の片手間にマスターしていくのもプラスになります。」という言葉が、何年も心に引っかかった状態で、子育てをし、この投書から十年後の36歳のときに中国語の学習をスタート!その後、中国語の魅力にハマりつつ、参考書を買うための費用を自分で稼ぐために、看護師の学校に通うという…、この著者の情熱が、本を読んでいる自分にも伝わってくるのがとても気持ちよく、ワクワクしながら読み進められました。

まずは、この本を読んだ方の感想をリサーチしました。たくさんの感想が上がっている中で、この本を表現しているフレーズをいくつか紹介します!

「台所から北京が見える」とは?

※最初に出版されてから出版社が変わり、この本の表紙は数パターンあります


内容詳細
タイトル台所から北京が見える
価格924円(税込) ※kindle電子書籍版:878円
ページ数 320ページ(148mm x 105mm)厚さ12mm
音声無し
文字色白黒
難易度易しい(語学学習者の体験記)
評価アマゾンのカスタマーレビュー/☆5段階中4.3~4.5(2023.10.8)

※最初に出版されてから出版社が変わり、この本の表紙は数パターンあります。

「台所から北京が見える」個人的にオススメする部分 3選

中国語学習者が、この本を読むときに、中国語の学習経歴やレベルによって、心に残る部分は異なると思います。おそらくこの本の著者である長澤さんが主婦であることもあり、主婦の方が読んだら、かなり共感される部分が多いのではないかと思います。さらに、著者の長澤さんの「夫のつぶやき」も書かれていて、中国語にのめり込んでいる妻をそばで見ている夫の言葉がところどころに記載されている点も面白く読めます。

ここでは、中国語学習者の一人として、本の中で心に残ったフレーズや内容を3つ厳選して紹介します。
少しだけでもこの本の内容を知ることで、この本に興味を持つきっかけになれば幸いです。

オススメ部分①

★★★★★ たちまち落ちこぼれる

一学期が終了した。
私の成績は七名中七位だった。
・・・[途中省略]・・・
やめることはいつでもできる。やってもできないなら、あきらめもつく。と自分にいいきかせた。
私はまず本屋に行き、・・・[途中省略]・・・
やがて夏休みが終わった。
二学期の第一日目の授業のことを、私はいまでもはっきり覚えている。
「夏休みをどう過ごしましたか」
 という先生の質問に、自分でも思いがけなく、口から中国語が出たのだ。たどたどしいながら、生まれてはじめて中国語で会話ができた。
クラスのお荷物だった私の顔を、先生はまじまじと見つめて、
「讲的很好」(よくは話せましたね)
といい、何回もうなずかれた。
クラスメートがいっせいに叫んだ。
「長澤、あんた、どうないしたん」
「いやあ、びっくりしたわ」
「こないゆうたら悪いけど、別人みたいやね」
大阪の人は率直だ。私はとてもうれしかった。これなら、ついていけそうだ。先生のしゃべっていることがわかるではないか。
 私はやめることを思いとどまった。かくて、私と中国語の長いつき合いは、この日から本格的に始まった。

【引用:「台所から北京が見える」の「三十六歳からの中国語/たちまち落ちこぼれる」部分より抜粋】

落ちこぼれの筆者が夏休み中に独学したことが、わずか数行で書かれているのですが、この数行の学習方法がどれほど効果的なのか。この本を読んで、自身の学習にも取り入れてチャレンジしたくなります。

オススメ部分②

★★★★★ 成語の魅力を教わる

高先生はまた、こうもいわれた。
ほめられているうちは、下手な証拠。考えてもごらん、幼い子がまり投げをすれば、上手、上手とほめるけれど、プロ野球選手にむかって、あなたは野球が上手ですね。というか」
私はかっと顔があつくなってしまった。
「よし、私はいつか、中国人にほめられなくなるような中国語を話せるようになろう
そのとき、私はひそかに心に誓った。
【引用:「台所から北京が見える」の「成語の魅力を教わる」部分より抜粋】

”半路出家”という成語を使って褒められたときの話の中で、この成語には2つの意味があるという話題が書かれている部分の内容です。これはかなりレベルの高い話ですが、中国語を話して褒められなくなったら本物!さらに、中国語を話して、しばらくしてから「あなた日本人なの?」と言われるくらいになりたいと思える部分でした・・。

半路出家:bànlù chūjiā
【成語】(大きくなってから出家する→)途中で仕事を変える,途中でその道に入る.(自分について言う場合は謙辞,他人について言う場合にはけなす意味がある.)

オススメ部分③

★★★★★ 私なりの中国語学習法


私は自分でなにか始めるときに、あまり年のことを考えないことにしている。いつも、自分の人生で今日がいちばん若いときなのだ、と思っている。なにか先入観にとらわれると、それが足かせになってしまうので、極力さけることだ。やってだめなら、そのときにやめればいい。だめでもともとなのだ。
 外国語は学問ではないが、生活に彩りをそえ、自分の世界を豊かにする手段としては、これに勝るものはないと思うのだが、
「もう年だから」、「頭が悪いから」、「ひまがないから」と、自ら扉を閉ざしてしまうようなことばを聞くのは本当に寂しいことである。
 また、「やりたいけれど子どもがいて」「私はいいけれど主人が」と、よく原因を自分以外の者に転嫁する声も聞く。そういうときに、私はいつも思い出すことがある。
 それはやせる教室を開いている、ある先生のことばである。
 「やせるのなんて簡単ですよ。その人が本当に心からやせたい、と思っているかどうかだけです。まあ、これくらいなら、という妥協がどこかに少しでもある人は決してやせません。反対に絶対にやせなくてはならないというさしせまった状態おかれた人は、どんなやり方でもやせられます。要は方法でなくて、その人の考え方なのです」
 語学の勉強も、これと全く同じことだと思う。
 外国語を学ぶとき、その国に行って勉強したほうが、なにかと有利なのはたしかである。テレビをつければ、その国のことばが流れ、町に出れば、いやでも使わねばならない。
 しかし、そのような恵まれた環境はすべての人に与えられるわけではない。そうだとしたら、少なくとも自分のいまいる環境をそれに近いものに変えてゆく。それならだれにでも可能だし、そのコツさえつかめば、外国語は何歳からでもはじめられる。とくに家庭の主婦は恵まれているといえる。家事はある程度自分のペースで運べる仕事だから、語学を学ぶ時間をわり出すことも可能だからである。
ところで、語学には四つの大原則がある。
・・・・

【引用:「台所から北京が見える」の「私なりの中国語学習法」部分より抜粋】

語学を独学で学習している一学習者として、きちんと環境を作れているのかと自身に問いただしてみると、まだまだ十分ではない。もっともっと自信でやりくりできる部分はたくさんあると、自己反省しながら読んでしまいました・・・

「台所から北京が見える」の内容

レビューの口コミが凄い!

★★★★★元気をもらえる本です!!

主人公が行動し始めた年齢と同世代。著者のバイタリティさには、頭が下がります!!
物事を始めるのに年齢は関係ないとつくづく実感し、新しい事に挑戦する勇気をもらえる本です!!手元に残しておきたい本の一つになりました。

★★★★★ 中国語への著者の思いが詰まっています

今からずっと前のお話ですが、時代が変わっても色あせないい著者の思いが読み取れます。
地道に、学習自体を目的にしないスタンスで社会にも貢献する目的をもちつつ学習を進めたいと思います。

★★★★★文庫化されるに相応しい語学学習体験記

本書は2度目の文庫化です。最初の出版は1983年、最初の文庫化は1999年でした。今回、40年後の今読み継がれるべき内容をもっていると認められた訳です。

36歳の主婦が中国語に興味をもつところから始まります。

長澤さんの情熱と、日中新時代における中国語への需要が高まっていった時代というものを感じることもできます。また、中国語以外にも看護師になるために学校へ行き、実際に病院勤務もされています。さらに大学にも通うという、信じられないような行動も紹介されます。本書は情熱と可能性を教えてくれる価値ある一冊です。

★★★★★学ぶとは日常を生きることだと教えてくれた本

長澤信子さんの『台所から北京が見える』と『まだ遅くない 楽しく身につく長沢式外国語上達法』の二冊は、私が外国語を勉強する励みとしてきた、とくに大事な本である。読んで頂ければわかると思うが、著者の言葉はどこを切り取ってもまっすぐで、それが彼女の生き方でもあった。いまでは多くのYouTuberや語学本の著者が推奨する学習法が溢れているが、長澤さんの著書から最も伝わるメッセージは、学び方とは日々の生き方だ、という点ではないかと思う。さらにまた、外国語に没頭するとはどういうことか、そこからどのような新しい風景が生まれるのかを、明快に教えてくれる。しばらく絶版だったその『台所から北京が見える』が、ちくま文庫に入るにあたっては、著者が晩年『中国語ジャーナル』に連載したエッセイと、通訳として同じ船に乗り合わせた経験をもつ黒田龍之助さんの回想が加えられた。これも嬉しいことである。言葉と文化に興味がある人にこの本を広く勧めたい。

40年前の本が復刻版として出版され、語学学習を長年している方がモチベーションをアップさせたいときに最適な本です!

一人の主婦がここまで中国語にのめり込み、中国語で人生を豊かにしていく話は、読んでいてワクワクしました。中国語が好きで好きでしかたがないという著者の思いが、すべてのページから滲み出ていて、好きで好きでしかたがない方が、それについて書いた本は本当に面白い。

X(Twitter)の投稿レビュー

まわりからやめておけ、と言われると、余計にやりたくなるという部分に共感する人も多いはず!

「学習法の本としても今日から始められることがたくさん」に共感!

昔に出版された表紙の本で、再出版されたものと読み比べたくなる…

本を読み終えた後、このツイートの写真を見ると、また読みたくなった…

「語学でなくても何か目標がある人は、読むと背筋が伸びる一冊。」たしかに、語学に関係なく、何か目標を持った人にこの本を紹介したい!

ABOUT ME
minhe
30代後半の2008年、1週間の一人旅で初めて台湾へ行く。会う人みんな親切、かつ、この年に北京オリンピックがあったこともあり、中国語を勉強することを決意。仕事で使う機会なし、あくまでも趣味。2010年に中国語検定3級合格。その後、台湾の友人もたくさんできてSNSで交流しながら、あまり勉強せず。2018年くらいから、中国語学習を再開。2019年にHSK5級に合格。2023年3月に中国語検定2級に合格。今後は、HSK6級の合格を目指しつつ、中国語勉強関連のニュースを発信します。
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