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【一路”象”北】中国で野生の象15頭が人口800万人の大都市”昆明”に向けて進行!

絶滅の危機に瀕するアジアゾウ。中国では主に雲南省南部にわずか300頭が生息しているだけです。

その保護区に住んでいた象の群れが中国の大都市”昆明”に向けて500㎞近く北上しています。
(※日本でいえば東京-大阪間が約500㎞)

【一路”象”北】象の群れが中国の大都市”昆明”に向かって北上中

もともとミャンマーと中国の国境近くにある雲南省シーサンパンナ・タイ族自治州の国立自然保護区に住んでいた象の群れ。

2020年3月ころに16頭が移動を開始。この記事を書いている2021年6月時点で既に1年以上経過し、ついに大都市”昆明”に接近!

大都市に接近していることから、中国メディアでは毎日テレビで取り上げられています。

野生の象が北上している話の概要

大象快要昆明了(Dà xiàng kuàiyào kūnmíngliǎo)”「象の群れが中国の大都市である”昆明”にまもなく到着」とニュースになっていることについて、ざっと概要を確認していきましょう。

2020年3月ころに16頭の象の群れが北上をはじめ、2020年12月には1頭の小象が誕生することで17頭の群れとなりました。

さらに北上を続け、エサを求めて民家のある村を通ることもあり、玉渓市の農家で酒を飲み過ぎて2頭脱落し引き返したことで15頭になります。

さらに、玉渓市で子象が100キロの酒糟を飲んでしまい脱落しそうになるのですが、その後、無事に群れに合流することで2021年6月初旬の段階では15頭の群れとなっています。

象が通り過ぎるところでは農作物が食べ荒らされ、象が去った後は、まるで嵐の後のような状況と現地の人は語っています。

農作物の被害は680万元(約1億1701万円)とも言われており、中国の法律では野生動物による被害は地元自治体が補償することになっているため、象による被害と補償の両方に戦々恐々です。


象は1日の大半を食事に費やし、大人のゾウの場合は200~300キロもの食事をして、水も1日に100リットルほど飲みます。

民家などを襲い、食べ物がたくさんあることを学ぶと、人間の住む地域に訪れたときは食べ物を求めてさまようので大変ですね。

しかも、ゾウは2~3㎞離れたバナナの匂いも嗅ぎ分けられるほどの嗅覚を持っています。大都市”昆明”に来る可能性は低いという意見もありますが、象にとって食料の豊富な大都市の”匂い”は魅力的かもしれません。

北上の理由は、もちろんゾウ自身にしかわかりませんが、次のような報道がされています。

《北上している理由》
・経験の浅いリーダーが群れを道に迷わせたのではないか
・新しい生息地を探している可能性
・住んでいた保護区内の食糧が少なくなってきた可能性
・生息域の気温が上がりすぎた可能性

なお、リーダーは母親象で、小象を真ん中にして守るように隊列を組んで移動しています。小象はまだ小さいこともあり、子どもを守る野生の母親ゾウを刺激するのは危険であり、人口800万人の大都市に向かって進行中のため、多くの人の注目を一心に集めています。

ただし、6月7日時点で最新のニュースによると、エサなどによる誘導により、都市部から離れる西の方向に移動したことがドローン等を用いた最新の追跡により判明しhています。

『断鼻家庭』の意味は?

北上しているゾウの群れは”断鼻家庭(duàn bí jiātíng)” つまり、「鼻を断たれた家族」と呼ばれています。

この言葉を見ると、鼻が無いように思ってしまいますが、鼻が無いのではなく鼻が短いためにこの名がついています。

おそらく以前、鼻を怪我して短くなったようですね。

上記の文章内に書かれている”断鼻象胆大(Duàn bí xiàng dǎn dà)”あるいは”断鼻象胆子大(duàn bí xiàng dǎnzi dà)”というのは、「鼻を切られた像は、胆っ玉が大きい”」と言う意味です。

ゾウは体が大きいため、力がとてつもなく強く、車なども簡単にひっくり返したりつぶしたりできるので、大都市圏への進行は本当に心配ですね。

『一路”象”北』の意味は?

このゾウの話は、ニュースなどで
『一路”象”北』
と表現されます。

この意味はいったいどういう意味なのでしょうか?

単語を一つずつ確認してみましょう。
まず、”一路(yīlù)”という単語は、「道中,旅の途中」などの意味があります。

例えば、よく使われる言葉で”一路平安(Yīlù píng’ān)”という言葉があります。これは旅立つ友人に向けて言う言葉で「道中御無事でごきげんよう」という意味ですね。

また、”一帯一路(いったいいちろ)”という言葉も、ここ数年で有名になりました。
※中国主導で進められている、アジア、ヨーロッパ、アフリカ大陸にまたがる経済圏構想のこと。

また、後半の二文字は日本語と同じ意味で、”象(ゾウ)”と”北(東西南北の北)”を表しています。

よって、『一路”象”北』を無理やり日本語訳すれば、「北へ向かうゾウの道中」と訳せますね。

しかし、この言葉の本当の意味は次の内容にかかわります。

実は、この『一路”象”北』のもとになっている言葉が『一路向北』です。

”一路向北”の意味は、「北へ向かう途中」といった意味になります。

じつは、これは中華圏で絶大なる人気を誇る台湾出身の歌手”周杰倫(ジェイ・チョウ)”の歌のタイトルです。

多くの人が知っている有名な歌手のタイトルであることから、『一路”象”北』と書くと『一路向北』という歌のタイトルを思い浮かべる人も多いのです。

さらに、この2つの4文字言葉は発音が全く同じなのです。

一路
Yīlù xiàng běi

一路””北
Yīlù xiàng běi

こういった言葉遊びを使った宣伝というのは、言葉を覚えるうえでとても効果的ですね。

ちなみに、私が個人的に好きなキャッチコピーは、 福岡JTBの次の広告コピーです。

タビナシ人生は、シナビタ人生だ。

「旅無し」と「萎びた」を掛けていて、「タビナシ」を後ろから読むと「シナビタ」になっていますね。

キャッチコピーを考えた方は凄いです!

象の豆知識

アジアゾウとアフリカゾウの違い

アフリカゾウは、地上最大の生物と言われていますが、今回の中国でニュースになっている象はアジアゾウです。

この違いを確認しておきましょう。


アフリカゾウ(左)・アジアゾウ(右)
【出典】https://ja.wikipedia.org/ゾウ

アジアゾウアフリカゾウ
生息地南アジア~東南アジアアフリカ大陸
肩までの高さ2~3m2.5~4m
体長5.5~6.5m6~7.5m
体重4~5t5.8~7.5t
四角形で小さい三角形で大きい
頭の形2つのこぶがある平たい
寿命60年70年

アジアゾウは、アフリカゾウに比べると一回り小さいです。
しかし、それでもかなり大きい動物であり、かなりの力を持っているため危険な側面もあります。

次の項目では、そのゾウの危険性について見ていきましょう。

象の危険性

ゾウの危険性を知ることのできる映像です。ゾウに近づきすぎた車が、押しつぶされそうになります。

見ていると、ゾウは遊んでいるようにしか見えませんが、最後の車の姿を見ると、ゾウの破壊力の強さがものすごくわかります。

なお、怖いものを見たくない方は、次の映像は見ないようにしてくださいね。

今回、中国で北上を続けているゾウの群れが、何事もなく無事に森に帰ることを願いたいですね。

ABOUT ME
minhe
30代後半の2008年、1週間の一人旅で初めて台湾へ行く。会う人みんな親切、かつ、この年に北京オリンピックがあったこともあり、中国語を勉強することを決意。仕事で使う機会なし、あくまでも趣味。2010年に中国語検定3級合格。その後、台湾の友人もたくさんできてSNSで交流しながら、あまり勉強せず。2018年くらいから、中国語学習を再開。2019年にHSK5級に合格。2023年3月に中国語検定2級に合格。今後は、HSK6級の合格を目指しつつ、中国語勉強関連のニュースを発信します。
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